江戸全国約三百藩の文久2年元旦(1862年)を基準にした一覧表です。国名と藩名の順番は基本的に「あいうえお順」です。国、藩の地図は下記の図をクリックして別タブでご覧ください。
幕府の藩に対する統制管理は厳しいのですが、1万石未満でも藩主が大名格で藩であると認める場合があります。逆に1万石以上で実質的には独立した藩であっても大名や藩と認めない場合もありますので、両方とも藩として記載して備考を記載しています。文久2年の前後で藩が飛び地の領地に移動して別藩に替わる場合もあるため、替わる前後の両方の藩名を記載して、備考を記載しています。(下記の江戸幕府全藩図、幕府が認めた藩を基準にしているため、幕府が認めた藩だけを記載しています)

各列の説明は以下の通りです。

  • 【国名】藩の属している国の名所
  • 【藩名】藩の名称
  • 【藩別名】藩の別名がある場合に記載
  • 【明治の藩名】明治時代に入って廃藩置県で藩が消滅するまでの間に藩名が改称された場合に記載。
  • 【天領/支藩/備考】天領である場合、他の藩の支藩や領地である場合や、その他の備考を記載。
  • 【現在の都道府県】江戸時代の藩が、現在の都道府県上の位置。
  • 【藩主家名】藩主の家名(姓)。領地替え等で藩主が替わる場合があり、文久2年事点の藩主を記載。松平姓を賜っている場合、「松平」と併記。例えば、仙台藩の伊達家の場合「伊達(松平)」と記載。
  • 【石高】禄高

記載内容の詳細(藩の名称、大名の姓、官職、石高の説明)はこちら をご覧ください。

蝦夷東北地方

東北図(小)
蝦夷・東北地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
蝦夷松前藩福山藩北海道松前3.0
陸奥会津藩福島県松平28.0
陸奥泉藩福島県本多2.0
陸奥一関藩岩手県田村3.0
陸奥磐城平藩平藩
岩城藩
福島県安藤6.7
陸奥黒石藩弘前藩の支藩青森県津軽1.0
陸奥下手渡藩福島県立花1.0
陸奥白河藩福島県阿部10.0
陸奥仙台藩宮城県伊達
(松平)
62.5
陸奥中村藩相馬藩福島県相馬6.0
陸奥棚倉藩福島県阿部
(松平)
10.0
陸奥二本松藩福島県丹羽10.0
陸奥八戸藩青森県南部2.0
陸奥弘前藩津軽藩青森県津軽10.0
陸奥福島藩福島県板倉3.0
陸奥三春藩福島県秋田5.0
陸奥盛岡藩南部藩岩手県南部20.0
陸奥盛岡新田藩七戸藩七戸藩青森県南部1.1
陸奥守山藩福島県松平2.0
陸奥湯長谷藩福島県内藤1.5
出羽上山藩山形県松平3.0
出羽亀田藩秋田県岩城2.0
出羽久保田藩秋田藩秋田県佐竹20.6
出羽久保田新田藩秋田新田藩岩崎藩久保田藩の支藩※1秋田県佐竹2.0
出羽庄内藩鶴岡藩大泉藩山形県酒井17.0
出羽新庄藩※2同名藩山形県戸沢6.8
出羽天童藩山形県織田2.0
出羽長瀞藩山形県米津1.1
出羽本庄藩秋田県六郷2.0
出羽松山藩松嶺藩※3同名藩山形県酒井2.5
出羽山形藩山形県水野5.0
出羽米沢藩山形県上杉18.7
出羽米沢新田藩谷地藩米沢藩の支藩※1山形県上杉1.0
蝦夷・東北地方の藩一覧

※1 特定領地無し、本家の石高の一部を分与
※2 同名藩(新庄藩)は出羽、大和に存在した。
※3 同名藩(松山藩)は出羽、備中、伊予に存在

関東地方

関東図(小)
関東地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
安房勝山藩加知山藩※1同名藩千葉県酒井1.2
安房館山藩千葉県稲葉1.0
上総飯野藩千葉県保科2.0
上総一宮藩千葉県加納1.3
上総大多喜藩千葉県松平2.0
上総久留里藩千葉県黒田3.0
上総佐貫藩千葉県阿部1.6
上総請西藩貝淵藩桜井藩千葉県1.0
上総鶴牧藩千葉県水野1.5
上野安中藩群馬県板倉3.0
上野伊勢崎藩群馬県酒井2.0
上野小幡藩群馬県奥平
(松平)
2.0
上野高崎藩群馬県大河内
(松平)
8.2
上野館林藩群馬県秋元6.0
上野七日市藩群馬県前田1.0
上野沼田藩群馬県土岐3.6
上野前橋藩※2藩移転群馬県前橋
(松平)
17.0
上野吉井藩矢田藩群馬県松平1.0
相模荻野山中藩小田原藩の支藩神奈川県大久保1.3
相模小田原藩神奈川県大久保11.3
下総小見川藩千葉県内田1.0
下総生実藩千葉県森川1.0
下総古河藩茨城県土井8.0
下総佐倉藩千葉県堀田11.0
下総関宿藩千葉県久世4.8
下総高岡藩千葉県井上1.0
下総多古藩千葉県松平1.2
下総結城藩千葉県水野1.8
下野足利藩栃木県戸田1.1
下野宇都宮藩栃木県戸田7.78
下野大田原藩栃木県大田原1.1
下野烏山藩栃木県大久保3.0
下野喜連川藩足利氏の後裔。
特別な地位
栃木県喜連川10(格式)
0.5(実高)
下野黒羽藩栃木県大関1.8
下野佐野藩栃木県堀田1.6
下野高徳藩宇都宮藩の支藩栃木県戸田1.0
下野吹上藩栃木県有馬1.0
下野壬生藩栃木県鳥居3.0
常陸麻生藩茨城県新庄1.0
常陸牛久藩茨城県山口1.0
常陸笠間藩茨城県牧野8.0
常陸宍戸藩茨城県松平1.0
常陸下館藩茨城県石川1.0
常陸下妻藩茨城県井上1.0
常陸土浦藩茨城県土屋9.5
常陸府中藩石岡藩茨城県石岡
(松平)
2.0
常陸松岡藩茨城県中山2.5
常陸水戸藩茨城県徳川(水戸)35.0
常陸谷田部藩茨城県細川1.6
武蔵岩槻藩埼玉県大岡2.02
武蔵岡部藩三河半原藩※3藩移転埼玉県安部2.3
武蔵忍藩埼玉県奥平
(松平)
10.0
武蔵金沢藩六浦藩※4改名神奈川県米倉1.5
武蔵川越藩※2藩移転埼玉県松平17.0
伊豆天領静岡県
関東地方の藩一覧

※1 同名藩(勝山藩)は安房、越前、美作に存在した。
※2 前橋藩は明和4年(1767年)川越へ藩移転した。文久2年4月(1862年)に川越から前橋に藩を再移転し、前橋藩が再興された。本表の基準日である文久2年元旦(1862年)時点では、まだ前橋藩再興直前で川越藩が存在している。
※3 武蔵野国岡部藩は三河半原にも飛び地の領地を持っていたが、慶応4年(1868)に半原へ藩移転し、三河半原藩となった。
※4 江戸時代の金沢藩は武蔵国にあった小藩。混乱を避けるために明治に武蔵国金沢藩を六浦藩に改名し、加賀藩を金沢藩に改名した。

甲信越地方

甲信越地方(小)
甲信越地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
越後糸魚川藩清崎藩新潟県松平1.0
越後黒川藩新潟県柳沢1.0
越後椎谷藩新潟県1.0
越後新発田藩新潟県溝口10.0
越後高田藩新潟県榊原15.0
越後長岡藩新潟県牧野7.4
越後三日市藩新潟県柳沢1.0
越後三根山藩新潟県牧野1.1
越後村上藩新潟県内藤5.0
越後村松藩新潟県3.0
越後与板藩新潟県井伊2.0
越前大野藩福井県土井4.0
越前勝山藩※1同名藩福井県小笠原2.2
越前鯖江藩福井県間部5.0
越前福井藩北ノ庄藩福井県松平32.0
越前鞠山藩敦賀藩福井県酒井1.0
越前丸岡藩福井県有馬5.0
越中富山藩加賀藩の支藩富山県前田
(松平)
10.0
甲斐天領山梨県
加賀加賀藩金沢藩※2改名石川県前田
(松平)
102.17
加賀大聖寺藩加賀藩の支藩石川県前田
(松平)
10.0
佐渡天領。佐渡奉行が支配新潟県
信濃飯田藩長野県1.7
信濃飯山藩長野県本多2.0
信濃岩村田藩長野県内藤1.5
信濃上田藩長野県松平5.3
信濃小諸藩長野県牧野1.5
信濃須坂藩長野県1.0
信濃諏訪藩高島藩長野県諏訪3.0
信濃高遠藩長野県内藤3.3
信濃田野口藩三河奥殿藩龍岡藩※3藩移転長野県松平1.6
信濃松代藩川中島藩長野県真田10.0
信濃松本藩長野県戸田
(松平)
6.0
能登加賀藩の領地石川県
若狭小浜藩福井県酒井10.4
甲信越地方の藩一覧

※1 同名藩(勝山藩)は安房、越前、美作に存在した。
※2 江戸時代の金沢藩は武蔵国にあった小藩。混乱を避けるために明治に武蔵国金沢藩を六浦藩に改名し、加賀藩を金沢藩に改名した。
※3 信濃田野口藩は最初は三河奥殿藩の領地だったが、正徳元年(1711年)に田野口へ藩を移転して田野口藩となった。

東海地方

甲信越地方(小)
東海地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
尾張犬山藩愛知県成瀬3.5
尾張名古屋藩尾張藩愛知県徳川尾張)61.9
駿河小島藩静岡県松平1.0
駿河田中藩静岡県本多4.0
駿河沼津藩静岡県水野5.0
遠江掛川藩静岡県太田5.0
遠江相良藩静岡県田沼1.0
遠江浜松藩静岡県井上6.0
遠江横須賀藩静岡県西尾3.5
飛騨天領岐阜県
三河岡崎藩愛知県本多5.0
三河奥殿藩田野口藩竜岡藩※1藩移転愛知県松平1.6
三河刈谷藩愛知県土井2.3
三河挙母藩愛知県内藤2.0
三河田原藩愛知県三宅1.2
三河西尾藩愛知県松平6.0
三河西大平藩愛知県大岡1.0
三河西端藩愛知県本多1.0
三河畑村藩大垣新田藩
畠村藩
美濃大垣新田藩
の領地
愛知県戸田1.0
三河半原藩武蔵岡部藩半原藩※2藩移転愛知県安部2.0
三河吉田藩豊橋藩※3同名藩愛知県松平7.0
美濃今尾藩岐阜県竹腰3.0
美濃岩村藩岐阜県松平3.0
美濃大垣藩岐阜県戸田10.0
美濃大垣新田藩三河畑村藩は
飛び地領地
野村藩大垣藩の支藩岐阜県戸田1.0
美濃加納藩岐阜県永井3.2
美濃郡上八幡藩群上藩
八幡藩
岐阜県青山4.8
美濃高須藩岐阜県松平3.0
美濃高富藩岐阜県本庄1.0
美濃苗木藩岐阜県遠山1.0
東海地方の藩一覧

※1 三河奥殿藩は信濃田野口にも飛び地の領地をもっていたが、正徳元年(1711年)に三河奥殿藩が信濃田野口へ藩を移転して田野口藩となった。そのため三河奥殿は田野口藩の領地という扱いになた。本表の基準年である文久2年(1862年)時点では既に信濃田野口藩の領地。
※2 三河半原藩は、武蔵岡部藩の領地であったが、慶応4年に武蔵岡部藩が半原へ藩を移転して三河半原藩となった。本表の基準年である文久2年(1862年)時点では、また武蔵岡部藩の領地。
※3 同名藩(吉田藩)は三河、伊予に存在した。

近畿地方

近畿地方図(小)
近畿地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
伊賀津藩の領地三重県
和泉岸和田藩大阪府岡部5.3
和泉伯太藩大阪府渡辺1.4
伊勢亀山藩※1同名藩三重県石川6.0
伊勢桑名藩三重県松平11.0
伊勢神戸藩三重県本多1.5
伊勢菰野藩三重県土方1.1
伊勢津藩三重県藤堂32.4
伊勢長島藩三重県増山2.0
伊勢久居藩藤堂家分家三重県藤堂5.3
近江大溝藩滋賀県分部2.0
近江膳所藩滋賀県本多6.0
近江仁正寺藩西大路藩※2改名滋賀県市橋1.8
近江彦根藩滋賀県井伊25.0
近江三上藩滋賀県遠藤1.2
近江水口藩滋賀県加藤2.5
近江宮川藩滋賀県堀田1.3
近江山上藩滋賀県稲垣1.3
河内狭山藩大阪府北条1.0
河内丹南藩大阪府高木1.0
紀伊紀州藩和歌山藩和歌山県徳川(紀伊)55.5
紀伊新宮藩※6 非独立藩和歌山県水野3.5
紀伊田辺藩※3同名藩
※6 非独立藩
和歌山県安藤3.9
志摩鳥羽藩三重県稲垣3.0
摂津麻田藩大阪府青木1.0
摂津尼崎藩兵庫県松平4.0
摂津高槻藩大阪府永井3.6
摂津三田藩兵庫県九鬼3.6
但馬出石藩兵庫県仙石3.0
但馬豊岡藩兵庫県京極1.5
丹後田辺藩舞鶴藩※3同名藩京都府牧野3.5
丹後峯山藩京都府京極1.1
丹後宮津藩京都府本庄7.0
丹波綾部藩京都府九鬼1.9
丹波柏原藩兵庫県織田2.0
丹波亀山藩亀岡藩※4同名藩京都府松平5.0
丹波篠山藩兵庫県青山6.0
丹波園部藩京都府小出2.7
丹波福知山藩京都府朽木3.2
丹波山家藩京都府1.0
播磨明石藩兵庫県松平8.0
播磨赤穂藩兵庫県2.0
播磨安志藩兵庫県小笠原1.0
播磨小野藩兵庫県一柳1.0
播磨龍野藩兵庫県脇坂5.1
播磨林田藩兵庫県建部1.0
播磨姫路藩兵庫県酒井15.0
播磨三日月藩乃井野藩兵庫県1.5
播磨三草藩兵庫県丹羽1.0
播磨山崎藩兵庫県本多1.0
山城淀藩京都府稲葉10.2
大和小泉藩奈良県片桐1.1
大和郡山藩奈良県柳沢
(松平)
15.1
大和芝村藩奈良県織田1.0
大和新庄藩櫛羅藩※5同名藩奈良県永井1.0
大和高取藩奈良県植村2.5
大和柳生藩奈良県柳生1.0
大和柳本藩奈良県織田1.0
近畿地方の藩一覧

※1 同名藩(亀山藩)は伊勢、丹波に存在した。
※2 仁正寺藩は文久2年4月(1862年)に西大路藩に改名した。藩主・市橋壱岐守長和によって改名された。本表の基準日である文久2年元旦(1862年)には、改名直前でありまだ仁正寺藩であった。
※3 同名藩(田辺藩)は紀伊、丹後に存在した。
※4 同名藩(亀山藩)は伊勢、丹波に存在した。
※5 同名藩(新庄藩)は出羽、大和に存在した。
※6  幕府は紀伊新宮藩と紀伊田辺藩の藩主を大名と認めず、どちらも紀州徳川家の家臣としての位置づけであったため独立した藩と認められなかった。
実質的に藩として存在していたが、明治政府によって慶応4年1月に正式に立藩された。

中国地方

中国地方図(小)
中国地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
安芸広島藩阿波藩
芸州藩
広島県浅野
(松平)
42.6
安芸広島新田藩吉田藩広島県浅野
(松平)
3.0
隠岐出雲松江藩の領地島根県
出雲広瀬藩島根県松平3.0
出雲松江藩島根県松平18.6
出雲母里藩島根県松平1.0
因幡鹿奴藩鳥取東新田藩鳥取藩の支藩鳥取県池田3.0
因幡鳥取藩因幡藩
因州藩
鳥取県池田
(松平)
32.5
因幡鳥取西館新田藩若桜藩鳥取藩の支藩鳥取県池田
(松平)
3.0
石見津和野藩島根県亀井4.3
石見浜田藩島根県松平6.1
周防岩国藩萩藩の支藩山口県吉川6.0
周防徳山藩萩藩の支藩山口県毛利
(松平)
4.0
長門清末藩萩藩の支藩山口県毛利1.0
長門長府藩長門府中藩萩藩の支藩山口県毛利5.0
長門萩藩長州藩
山口藩
山口県毛利36.9
備前岡山藩岡山県池田
(松平)
31.5
備中浅尾藩文久2年は7700石
文久3年1万石
岡山県蒔田0.8
備中足守藩岡山県木下2.5
備中生坂藩岡山藩の支藩岡山県池田1.5
備中岡田藩岡山県伊東1.0
備中鴨方藩岡山藩の支藩岡山県池田2.5
備中新見藩岡山県1.8
備中庭瀬藩岡山県板倉2.0
備中松山藩高梁藩※1同名藩岡山県板倉5.0
備後福山藩広島県阿部11.0
伯耆鳥取藩の領地鳥取県
美作勝山藩高田藩真島藩※2同名藩岡山県三浦2.3
美作津山藩岡山県松平10.0
美作鶴田藩岡山県松平6.1
中国地方の藩一覧

※1 同名藩(松山藩)は出羽、備中、伊予に存在した。
※2 同名藩(勝山藩)は安房、越前、美作に存在した。

四国地方

四国地方図(小)
四国地方・全藩図  (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
阿波徳島藩徳島県蜂須賀
(松平)
25.8
淡路徳島藩の領地兵庫県
伊予今治藩愛知県松平3.5
伊予宇和島藩愛知県伊達10.0
伊予大洲藩愛知県加藤6.0
伊予小松藩愛知県一柳1.0
伊予西条藩愛知県松平3.0
伊予新谷藩愛知県加藤1.0
伊予松山藩※1同名藩愛知県松平15.0
伊予吉田藩伊予吉田藩宇和島藩の支藩
※2同名藩
愛知県伊達3.0
讃岐高松藩香川県松平12.0
讃岐多度津藩香川県京極1.0
讃岐丸亀藩香川県京極5.2
土佐土佐藩高知藩高知藩高知県山内24.2
土佐土佐新田藩土佐藩の支藩高知県山内1.3
四国地方の藩一覧

※1 同名藩(松山藩)は出羽、備中、伊予に存在した。
※2 同名藩(吉田藩)は三河、伊予に存在した。

九州地方、琉球

九州地方図(小)
九州地方・全藩図 (クリックすると別タブで全国拡大図表示)
国名藩名藩別名明治の
藩名
天領、支藩、備考現在の
都道府県
藩主家名
(松平姓)
石高
大隅薩摩藩の領地鹿児島藩
薩摩薩摩藩鹿児島藩鹿児島藩島津
(松平)
77.08
筑後久留米藩福岡県有馬21.0
筑後柳河藩福岡県立花12.0
筑前秋月藩福岡藩の支藩福岡県黒田5.0
筑前福岡藩福岡県黒田
(松平)
47.3
対馬対馬藩対馬府中藩
厳原藩
長崎県10.0
肥後宇土藩熊本藩の支藩熊本県細川3.0
肥後熊本藩熊本県細川54.0
肥後熊本新田藩肥後新田藩高瀬藩慶応4年に改名熊本県細川3.5
肥後人吉藩熊本県相良2.2
肥前大村藩長崎県大村2.8
肥前小城藩佐賀藩の支藩佐賀県鍋島7.3
肥前鹿島藩佐賀藩の支藩佐賀県鍋島2.0
肥前唐津藩佐賀県小笠原6.0
肥前佐賀藩佐賀県鍋島
(松平)
35.7
肥前島原藩長崎県松平7.0
肥前蓮池藩佐賀県鍋島5.3
肥前平戸藩長崎県松浦6.2
肥前平戸新田藩長崎県松浦1.0
肥前福江藩五島藩長崎県五島1.2
日向飫肥藩宮崎県伊東5.1
日向佐土原藩薩摩藩の支藩宮崎県島津2.7
日向高鍋藩財部藩宮崎県秋月2.7
日向延岡藩宮崎県内藤7.0
豊前小倉藩香春藩
豊津藩
慶応3年~明治2年
は香春藩と呼ばれる
福岡県小笠原15.0
豊前小倉新田藩福岡県小笠原1.0
豊前中津藩大分県奥平10.0
豊後臼杵藩大分県稲葉5.0
豊後岡藩大分県中川7.0
豊後杵築藩木付藩大分県松平3.2
豊後佐伯藩大分県毛利2.0
豊後日出藩大分県木下2.5
豊後府内藩大分県松平2.1
豊後森藩大分県久留島1.2
琉球琉球琉球藩薩摩藩に帰属沖縄県
九州地方、琉球の藩一覧

藩の名称、大名の姓、官職、石高の説明

【藩の名称】
藩は別の呼び方がある場合はそれも記述しています。明治2年(1869年)版籍奉還から明治4年(1871年)の廃藩置県までの間に名称変更された藩もありますが、江戸時代幕末の名称一覧なので、明治時代に入ってからの名前は含めていません。(明治時代に変更された藩名の例:加賀国加賀藩→金沢藩、武蔵国金沢藩→六浦藩(むつうらはん)、土佐国土佐藩→高知藩、薩摩国薩摩藩→鹿児島藩、常陸府中藩→石岡藩)

【石高】
石高は文久2年元日の時点で記載しています。天保期の記録と明治元年の記録の間の禄高変動を反映しています。磐城平藩は文久2年元日では6万7千石でしたが、1月におきた坂下門の変により、8月には藩主が隠居させられ禄高が4万石に減らされています。年の途中でも幕府の処分や藩主の家督相続による変動があるため、元日を基準にしています。

【大名の家名と姓】
大名は家の名前の他に「松平」姓を賜っている場合がありますので家名と松平姓を分けて記載しています。例えば金沢藩前田家は松平姓を賜っています。
文久2年の時点では、家名が「松平」の大名は39人、前田家のように元からの家名の他に「松平」姓を賜った大名は11人います。

【大名の官名】
江戸時代の地図である「切絵図」では、大名屋敷の名前は「久世大和守」「松平内蔵頭」などと姓+官名で書かれています。切絵図で、どこの藩の屋敷かを知るためには、姓+官名と藩の対応表が必要ですので、職名も記載しています。

官名は、一部の例外を除いて領地と官職名は関係ありません。一般の大名は領地の国の名前を官職名につけてはいけないという規則があります。例えば「久世大和守」は大和国(奈良県)に領地はなく、下総関宿藩の藩主です。蝦夷(北海道)松前藩の藩主は松前伊豆守ですが、神奈川県・伊豆半島に領地はありません。一部の例外とは以下の様な場合です。
・ 松平姓の大藩の国持大大名
・ 外様の大藩の国持大名
・ 国持大名で、大廊下、大伝間の大名と官名が重ならない場合

例えば薩摩藩主は島津家松平薩摩守で、加賀藩主は前田家松平加賀守です。もう少し細かく定められてはいますが、江戸時代の多くのルールは色々な例外が存在しますので、上記は一般原則としてとらえてください。
また、一般の大名では複数の大名が同じ職名を持つので、官職名だけでは人を特定できません。例えば「摂津守」は下野佐野藩堀田摂津守、武蔵岡部藩安部摂津守、越後黒川藩柳沢摂津守、美濃高須藩松平摂津守、志摩鳥羽藩稲垣摂津守がいます。

官職名は徳川家や大きな国持ち大名などを除いて家督相続や昇進によって変わります。藩主が着任してすぐに亡くなってしまうと、結果として2~3年の間に2回変ることもあります。そのため、「御江戸地図」を作成した基準の切絵図から、嘉永2年(1849年)、安政3年(1856年)、文久2年(1862年)の3つの年の官職を記載しています。年の途中(例えば7月)で家督相続によって官職が変わった場合は、新しい官職を掲載しています。

家督相続をして、将軍から叙爵されるまでの通常数カ月の期間は、多くの場合官職がありません。まれに数年間官職が与えられていな場合があり、切絵図には官職ではない名前が書かれることがあります。
例えば、武蔵岡部藩藩主・安部信宝は、天保13年(1842年)に家督相続をしましたが、徳川家慶に拝謁して叙爵されて摂津守となったのは嘉永3年(1850年)でした。その間どう呼ばれるのか明確ではないのですが、嘉永3年の尾張屋清七版の切絵図では「安部虎之助」と通名で書かれています。