このページでは、百人一首の和歌を歌番号順に並べています。それぞれの「和歌」をクリックすると、その和歌が詠われた場所または作者のゆかりの地別の「百人一首の地図」ページに飛び、その場所を地図上で見ることができます。

百人一首に詠われた場所があれば、その場所をゆかりの地としています。特定の場所を詠ったものでない場合は、作者がその歌を詠った場所をゆかりの地としています。それもわからない場合は、作者自身にゆかりのある場所、例えば作者の住まい、勤めていた場所(国府、神社)、作者を祀った神社、作者の歌碑がある場所などをゆかりの地としています。

百人一首の地図
百人一首の地図
歌番号和歌作者ゆかりの地
1秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ天智天皇 飛鳥京
2春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山持統天皇 藤原京・天香具山
3あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む柿本人麻呂 明石・柿本神社
4田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ山辺赤人 田子の浦、富士山
5奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき猿丸大夫 平安京洛南・猿丸神社
6かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける中納言家持
(大伴家持)
平城京・平城宮
7天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも阿部仲麻呂 奈良・三笠山
8わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり喜撰法師 平安京洛南・宇治川
9花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに小野小町 平安京洛南・随心院
10これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関蝉丸 逢坂の関
11わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと 人には告げよ あまのつりぶね参議篁
(小野篁)
隠岐島
12天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ僧正遍昭 平安宮・内裏
13筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる陽成院 筑波山
14陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに河原左大臣
(源融)
信夫(しのぶ)郡
15君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ光孝天皇 平安京洛北
北七野、櫟谷七野神社
16立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む中納言行平
(在原行平)
因幡・稲葉山
17ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは在原業平朝臣 奈良・竜田川
18住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ藤原敏行朝臣 難波・住之江
19難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや伊勢 難波潟
20わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ元良親王 難波江
21今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな素性法師 平安京洛内の北側
雲林院
22吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ文屋康秀 押立神社(琵琶湖東)
23月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど大江千里 下総国
伊波乃浦 (印旛沼)
24このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに菅原道真 奈良・手向山八幡宮
25名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな三条右大臣 逢坂山
26小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ貞信公 平安京洛西・小倉山
27みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ中納言兼輔 恭仁京
28山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば源宗于朝臣 平安京洛西・嵯峨野
29心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花凡河内躬恒 姫路・広峯神社
30有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし壬生忠岑 平安京洛内・壬生忠岑 宅
31朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪坂上是則 吉野の里
32山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり春道列樹 平安京の北東・比叡山
33久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ紀友則 初瀬・長谷寺
34誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに藤原興風 播磨・高砂神社
35人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける紀貫之 初瀬・長谷寺近くの宿
36夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ清原深養父 平安京の北・補陀落寺
37白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける文屋朝康 押立神社(琵琶湖東)
38忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな右近 平安京洛南・醍醐寺
39浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき参議等 平安京の北東
坂本・小野里
40忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで平兼盛 平安宮・内裏
41恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか壬生忠見 平安宮・内裏
42契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは清原元輔 末の松山
43逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり権中納言敦忠 平安京の北東
藤原敦忠山荘
44逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし中納言朝忠 平安洛内・土御門第
45哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな謙徳公 平安洛内・一条院
46由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな曽禰好忠 丹後・由良川
47八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり恵慶法師 平安京洛内・河原院跡
48風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな源重之 日向・琴弾の松
49みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ大中臣能宣朝臣 平安宮・内裏
50君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな藤原義孝 平安洛内・桃園邸
(世尊寺)

歌番号和歌作者ゆかりの地
51かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな  燃ゆる思ひを藤原実方朝臣 伊吹山
52明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな藤原道信朝臣 平安宮・近衛府
53嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る右大将道綱母 初瀬・長谷寺
54忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな儀同三司母 平安京洛内、東三条殿
55滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ大納言公任 平安京洛西・大覚寺
56あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな和泉式部 平安京洛東・東北院
57めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな紫式部 平安京洛内・堤邸
58有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする大弐三位 有馬山、猪名の笹原
59やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな赤染衛門尾張 赤染衛門衣掛けの松
60大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立小式部内侍 大江山、生野、天橋立
61いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな伊勢大輔 奈良の都(平城京)
62夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢阪の 関はゆるさじ清少納言 逢坂の関
63今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな左京大夫道雅
(藤原道雅)
伊勢神宮
64朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木権中納言定頼 平安京洛南・宇治川
65恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ相模 箱根権現
66もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし前大僧正行尊 吉野・大峯山寺
67春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ周防内侍 平安宮・内裏
68心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな三条院 平安宮・内裏
69嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり能因法師 奈良・三室山、龍田川
70さびしさに 宿をたち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮良選法師 平安京の北・ 大原
71夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く大納言経信 平安京洛西
嵐山・大堰川
72音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ祐子内親王家紀伊 和泉国・高師の浜
73高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ前権中納言匡房 平安京洛内・江家文庫
74憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを源俊頼朝臣 初瀬
75契りおきし  せもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり藤原基俊 奈良・興福寺
76わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波法性寺入道
前関白太政大臣
(藤原忠通)
平安京洛東・法性寺
77瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ崇徳院 平安京洛東
祟徳天皇御廟
78淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守源兼昌 須磨・関森神社
79秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ左京大夫顕輔 平安京洛内・六条家宅
80長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ待賢門院堀河 平安京洛内・法金剛院
81ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れ後徳大寺左大臣 平安京・洛内の北側
徳大寺
82思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり道因法師 難波・住吉神社
83世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる皇太后宮大夫俊成
(藤原俊成)
平安京洛内・俊成邸宅
84長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき藤原清輔朝臣平安京洛内
六条家邸宅
85夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり俊恵法師 平安京洛東
白川・歌林苑
86嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな西行法師 平安京洛南・勝持寺
87村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ寂蓮法師 平安京洛西・嵯峨野
88難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき皇嘉門院別当 難波江
89玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする式子内親王 平安京洛北
上賀茂神社、下賀茂神社
90見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず殷富門院大輔 松島の尾島
91きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣片敷き ひとりかも寝む後京極摂政
前太政大臣
奈良・秋篠
92わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もな二条院讃岐 若狭湾・沖の石
93世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも鎌倉右大臣 鎌倉・由比ヶ浜
94み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり参議雅経 吉野の里
95おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖前大僧正慈円 比叡山延暦寺
96花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり入道前太政大臣 平安京・洛内の北側
西園寺
97来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ権中納言定家 淡路島・松帆の浦
98風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける従二位家隆 平安京洛北
上賀茂神社、 御手洗川
99人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は後鳥羽院 平安京洛南・鳥羽離宮
100ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり順徳院 平安宮・内裏